「昼過ぎまで寝ていて、夜になると元気になる」
2026/10/13
お役立ちコラム「昼過ぎまで寝ていて、夜になると元気になる」
「夜中までゲームやスマホを使っている」
「この生活を続けていて大丈夫なのだろうか」
不登校の子どもの生活リズムが昼夜逆転すると、親として心配になりますよね。
学校や勉強のことを考えると、「まず朝起きられるようにしなければ」と感じるかもしれません。
ただ、今の生活から一気に朝型へ変えようとすると、本人にとって大きな負担になることがあります。
Preステップオンラインでは、昼夜逆転をそのままにしてよいと考えているわけではありません。本人の体調を確認しながら、今の生活の中で変えられるところから一つずつ整えていくことを大切にしています。
不登校の子どもに生活リズムの乱れが見られることは、珍しいことではありません。
文部科学省が行った「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」では、中学生の保護者に「昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れていた」かを尋ねています。
「よくあった」が30.9%、「ときどきあった」が25.4%で、合わせて56.3%でした。
また、令和6年度の文部科学省調査では、不登校の小・中学生について学校が把握した事実のうち、「生活リズムの不調に関する相談があった」が25.0%となっています。
ただし、これらの数字は「生活リズムの乱れが不登校の原因」という意味ではありません。
不登校になったことで朝に学校へ行くという生活上の区切りがなくなったり、学校への不安や体調の変化と生活リズムの乱れが重なったりするなど、子どもによって状況は異なります。
そのため、「夜更かしをしているから学校へ行けない」と一つの原因だけで考えず、今どのような生活になっているのかを見ることが大切です。
出典:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」
出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
「少しずつ整える」と言われても、
「具体的に何をすればいいの?」
と思いますよね。
最初から、
「明日から朝7時に起きる」
「夜11時には必ず寝る」
と、学校へ通っていた頃の時間に戻そうとする必要はありません。
まずは、現在の生活を確認するところから始めます。
たとえば、
・何時頃に眠っているか
・何時頃に起きているか
・起きてから最初に何をしているか
・食事をとる時間
・本人が比較的元気な時間
を数日見てみます。
その中から、一つだけ変えやすい行動を選びます。
たとえば、
起きたらカーテンを開ける
↓
顔を洗う
↓
食事をとる
といった形です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、子どもの睡眠について、朝に光を浴びること、朝食をとること、日中に身体を動かすこと、夜ふかしを習慣化させないことが示されています。
大切なのは、いきなり全部変えることではありません。
一つの行動が続けられそうなら、次に起きる時間や食事の時間を少しずつ前へ動かしていく。
このように、本人の負担を確認しながら調整していきます。
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年9月18日一部修正)
「昼夜逆転を直すなら、朝に起こした方がいいのでは?」
と考える親は少なくありません。
朝に声をかけること自体が悪いわけではありません。
ただ、毎朝何度も声をかけたり、強く布団から出そうとしたりすると、親子ともにつらくなってしまいます。
そこで、本人の反応によって声のかけ方を変えてみます。
たとえば、声をかけると返事があり、少し起きようとしている様子なら、
「カーテン開けようか?」
「水だけ飲む?」
など、次にできそうなことを一つ伝えます。
一方、ほとんど反応がない、強い眠気で起き上がれない、声をかけるたびに強くイライラしている状態なら、何度も起こし続けるのではなく、
「起きたら声をかけてね」
と伝えて、その日は一度離れる方法があります。
本人が「明日は起こしてほしい」と言っているなら、
「何時に一度声をかけようか」
と前の日に決めておくと、親から一方的に起こす形になりにくくなります。
「朝起きられたか」を毎日の成功・失敗にしないことが大切です。
昼夜逆転していると、
「ゲームをしているから寝ないのでは?」
「スマホを取り上げた方がいい?」
と考えることがありますよね。
厚生労働省は、起床後から日中は明るい光を浴び、就寝前にはブルーライトを含む明るい光をできるだけ避けることが良い睡眠につながるとしています。スマートフォンは近い距離で見るため、目に入る光の量が多くなりやすいことも示されています。
ただ、ゲームやスマホを突然すべて禁止すれば生活リズムが整うとは限りません。
まず確認したいのは、「いつ使っているか」と「睡眠にどう影響しているか」です。
たとえば、寝ようとしてから長時間スマホを見続けているなら、
「寝る前だけ明るさを下げてみる」
「布団に入ったら動画の自動再生を止める」
「充電する場所をベッドから少し離してみる」
といった一つの変更から相談できます。
親が一方的に取り上げるのではなく、
「寝る時間を少し整えたいんだけど、どこなら変えられそう?」
と本人に聞きながら決めることが大切です。
「本人の様子を見ましょう」だけでは、親としては困りますよね。
見るポイントは、声をかけたあとの反応です。
たとえば、
「少し早く起きてみる?」
と聞いたときに、
「それならできそう」
と返ってくるなら、一緒に時間を決めてみます。
一方で、
「無理」
「その話をしたくない」
と強く拒否する状態なら、その場で何度も説得するのではなく、
「わかった。また話せそうなときに考えよう」
と一度終える方法があります。
本人から、
「この生活を変えたい」
「朝起きたいけど起きられない」
という言葉が出てきたときは、
「じゃあ、明日は何ならできそう?」
と一緒に小さな行動を決めます。
親が正しい生活時間を伝え続けるより、本人が変えられそうなことを一緒に探すことが重要です。

生活リズムが崩れていると、
「まず早寝早起きができてから勉強を始めよう」
と考えるかもしれません。
Preステップオンラインでは、生活リズムが完全に整うまで、家庭学習を待つ必要はないと考えています。
本人に学習する余力があり、取り組むことを嫌がっていないなら、今できる時間から始めます。
たとえば夕方に元気になる子なら、
夕方5時に椅子へ座る
↓
教材を開く
↓
1問だけやる
という形です。
学習そのものを、毎日の生活に一つの区切りを作るために使うイメージです。
夜に勉強していい?
昼夜逆転している場合、夕方から夜にかけて本人が最も活動しやすいことがあります。
その状態で、
「勉強は朝にしないと意味がない」
と決める必要はありません。
最初は、本人が起きていて、比較的気持ちが安定している時間を選びます。
夕方6時なら取り組みやすいのであれば、まずはその時間から始めます。
生活時間が少しずつ前へ動いてきたら、家庭学習の時間も一緒に調整していきます。
生活リズムと家庭学習の両方を整えたいときは、毎日の中に一つのルーティンを作ります。
Preステップオンラインで一つの方法として考えているのが、
「決まった時間に、まず勉強する椅子へ座る」
ことです。
最初から、
「30分勉強する」
「問題集を10ページやる」
と決める必要はありません。
たとえば、
決まった時間に椅子へ座る
↓
教材を開く
↓
1問やってみる
↓
できそうなら少し続ける
という流れです。
ここで作りたい習慣は、毎日たくさん勉強することではなく、「決まったきっかけから学習を始めること」です。
最初は勉強量より、始める行動を生活の中に作ることを優先します。
家庭学習を始めにくい場合はこちらの記事で詳しく解説しています。
家庭学習の習慣を作ろうとしても、
「今日は椅子に座れなかった」
「昨日はできたけれど、今日はできなかった」
という日はあります。
そのたびに、
「せっかく続いていたのに」
と考える必要はありません。
Preステップオンラインでは、家庭学習の習慣化を、毎日一度も休まず続けることだけではなく、できなかった後に再び始められる状態を作ることと考えています。
昨日できなかったとしても、
「今日は座れそう?」
ともう一度始めれば大丈夫です。
本人にとって負担が大きくなりすぎず、「一度止まっても再開できる形」を作ることを大切にします。
学習の遅れが気になり、どこから始めればよいかわからない場合はこちらの記事を目安にしてください。

「昼夜逆転している」というだけで、すぐ病気と考える必要はありません。
一方、本人が生活を変えたいと思っているのに、自分では起きる時間を動かせない状態が長く続く場合は、家庭だけで解決しようとせず相談する選択肢があります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、睡眠・覚醒相後退障害について、社会的に望ましい時刻に眠ったり起きたりすることが慢性的に難しく、重要な予定があっても起床できない状態などを説明しています。思春期から青年期は発症しやすい年代とされています。
たとえば、
・本人が早く起きたいのに、どうしても起きられない
・明け方まで眠れず、昼過ぎまで起きられない状態が続く
・起きようとすると強い眠気や頭痛、だるさなどが出る
・睡眠の状態によって日常生活に大きな支障が出ている
といった場合は、かかりつけの小児科などへ相談してみてください。
これは「昼夜逆転しているから病気」という意味ではありません。
家庭で生活時間を変えようとしてもうまくいかず、本人自身が困っているときに、相談先を一つ増やすという考え方です。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「概日リズム睡眠・覚醒障害」
不登校の子どもが昼夜逆転していると、
「このままで大丈夫?」
「早く朝型に戻さなければ」
と心配になります。
ただ、今の生活から一気に学校へ通っていた頃の時間へ戻そうとすると、本人の負担が大きくなることがあります。
まず確認したいのは、
今何時に寝て、何時に起きているのか。
本人は今の生活をどう感じているのか。
どこなら一つ変えられそうなのか。
ということです。
起きたらカーテンを開ける。
決まった時間に食事をする。
本人が活動しやすい時間に椅子へ座る。
教材を1問だけやってみる。
最初から全部を変える必要はありません。
生活リズムが完全に整ってから勉強を始めるのではなく、生活と学習の両方を、今できるところから少しずつ作っていく。
そして、できなかった日があっても気にしすぎず、次にできるところから再開します。
「昼夜逆転していて、いつ勉強すればいいかわからない」
「家で勉強する習慣がほとんどない」
「学校の授業から遅れていて、どこから始めればいいかわからない」
Preステップオンラインでは、現在の生活や学習状況を確認し、必要に応じて前の学年まで戻りながら、本人にとって無理のない家庭学習の始め方を一緒に考えます。
最初から長時間勉強することや、すぐに学校の進度へ追いつくことだけを目標にはしません。
まずは「決まった時間に取り組む」「1問だけやってみる」など、本人が続けられる形を作り、その先の目標を一緒に考えていきます。
Preステップオンラインの支援についてはこちらをご覧ください。

原 匠(はら たくみ)
Preステップオンライン 統括責任者
15年以上にわたり、不登校・登校しぶりなど、さまざまな悩みを抱える子どもと親の学習支援に携わる。
「失敗を歓迎し、一人ひとりの安心できる場所となるコミュニケーション重視の家庭学習システム」を提唱し、一人ひとりの状況に合わせた学習支援を行っている。
学習への取り組み方やモチベーションなど、いま気になっていることを相談できます。
お子さまの今のつまずきの状況を確認し、理解度にあわせた授業で、「わかった」「できた」を実感できます。
学年や学校進度にあわせた計画ではなく、今のお子さまに必要な単元を選んだ学習計画をご提案します。