「普段は休んでいるのに、行事だけ参加していい?」と悩んでいませんか?
「普段は学校に行けていないけれど、修学旅行には行きたいみたい」
「文化祭だけ行くのは、周りからどう思われるんだろう」
不登校の子どもが学校行事への参加を希望すると、うれしい気持ちがある一方、「本当に参加して大丈夫かな」と迷う親もいるでしょう。
学校行事への参加を考えるうえで大切なのは、普段学校に行けているかどうかだけで判断せず、本人の気持ちを大事にすることです。
この記事では、修学旅行や文化祭、体育祭などに参加したいと言ったときの考え方や、事前に学校と確認しておきたいこと、行事後の親の関わり方について解説します。
不登校でも学校行事だけ参加していい?
普段学校を休んでいても、
「修学旅行には行きたい」
「文化祭なら行ってみたい」
と言う場合があります。
学校行事は普段の授業とは過ごし方や環境が異なります。
そのため、普段の授業には参加することが難しくても、特定の学校行事には興味を持つことがあります。
「普段学校へ行っていないから行事にも行ってはいけない」と考える必要はありません。
ただし、実際にどのような形で参加できるかは学校や行事によって異なります。本人が参加したいのであれば、まず学校へ相談してみましょう。
「行きたい」と言ったら本人の気持ちを大事にする
子どもが学校行事について「行きたい」と話しているのであれば、まずはその気持ちを大事にします。
「普段学校に行っていないのに大丈夫?」
「最後まで参加できる?」
と心配になることもあるでしょう。
しかし、最初から参加できるかどうかではなく、どうすれば本人が参加しやすいかを考えていくことが大切です。
文部科学省は、不登校の子どもへの支援について、本人や親の意思を十分に尊重する必要があり、学校への登校という結果だけを目標にするものではないとしています。
行きたい気持ちがあるのであれば、その気持ちを出発点に学校と相談してみましょう。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
学校行事へ参加するなら学校とのすり合わせが大切
本人が参加したいと考えている場合、次に大切なのが学校との事前のすり合わせです。
単に、
「参加できますか?」
と確認するだけではなく、当日参加するのが難しくなった場合まで考えておきます。
子どもの「サイン」を伝える
無理をしているときの様子や表情は、子どもによって違います。
そのため、一般的な価値観で決めるのではなく、
「このような様子になったら休ませてほしい」
「この状態になったら無理に続けさせないでほしい」
など、親が普段見ている子どもの様子を学校側へ共有しておくとよいでしょう。
自分から「もう無理」と言えるとは限りません。
だからこそ、学校と親であらかじめ目安を共有しておくことが大切です。
途中で参加が難しくなった場合の対応を確認する
当日になって、本人が参加が難しいと感じた場合に慌てないよう、
・どこで休めるのか
・誰に相談すればよいのか
・途中で帰ることはできるのか
・学校から親へいつ連絡するのか
・親が迎えに行く必要があるのか
などを確認しておきましょう。
行事の内容や学校によって対応方法は異なります。
「参加できるか」だけでなく、「行事の途中でこれ以上参加が難しくなったときのこと」まで相談することがポイントです。
学校を休んでいる間の自宅学習や出席の扱いについても気になる場合は、学校へあわせて確認しておくとよいでしょう。
関連記事:不登校の出席扱い制度とは? 自宅学習の条件と学校への相談方法【小・中学生】
修学旅行は、通常の行事より綿密に相談をする。
特に事前の相談が重要なのが修学旅行です。
文化祭や体育祭などと比べ、修学旅行は遠方への移動や宿泊を伴うことがあります。
そのため、途中で参加が難しくなっても、親がすぐに迎えに行けない場合があります。修学旅行について扱う他の不登校支援記事でも、宿泊や移動、親がすぐそばにいないことが参加判断を難しくする要素として挙げられています。
修学旅行の場合は、場所や距離、スケジュールによって対応できることが変わります。
参加方法を親だけで決めず、学校と相談しながら考えてください。
周囲の目が気になるなら、今できる形から
本人が、「普段学校に行っていないのに、行事だけ参加したらどう思われるかな」
と不安に感じることもあるでしょう。
その場合は、まず親から「気にしなくても大丈夫だよ」と伝えましょう。
それでも本人が気になるのであれば、行事の少し前から学校へ行き、場所や先生、友だちとの雰囲気に少しずつ慣れるとよいでしょう。
ただし、最初から通常登校する必要はありません。
短時間、別室、放課後など、まずは本人ができる形から始めます。
事前登校は、行事へ参加するための条件ではありません。
本人が「少し行ってみようかな」と思っている場合の選択肢の一つとして考えましょう。
本人が「行きたくない」なら無理強いしない
反対に、親が参加してほしいと思っていても、本人が「行きたくない」と考えている場合もあります。
その場合は、本人の意思を尊重することが大切です。
「一度しかない修学旅行だから」
「行けば楽しいと思うよ」
「せっかくだから行ってみたら?」
という言葉も、本人の状態によっては負担になることがあります。
学校行事へ参加すること自体をゴールにする必要はありません。
行きたくないなら無理強いしない。
どちらの場合も中心に置きたいのは本人の気持ちです。
行事に参加できても学校復帰を期待しすぎない
学校行事に参加できると、
「これをきっかけに学校へ戻れるかもしれない」
と期待することもあるでしょう。
そう思うこと自体は自然です。
ただし、「行事に行けたのだから、明日から学校にも行けるはず」と過度に期待しないことが大切です。
普段の授業と修学旅行や文化祭では、環境も過ごし方も異なります。
行事へ参加できたことと、普段の登校は分けて考えてください。
文部科学省も、不登校支援について「学校に登校する」という結果だけを目標にせず、本人が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があるとしています。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
行事のあとは普段通りに接する
行事から帰ってきたあとは、いつも通り接してみてください。
「どうだった?」
「楽しかった?」
「明日は学校行けそう?」
と質問を続ける必要はありません。
本人が話したそうにしているのであれば、そのときに話を聞いてあげます。
反対に、本人が特に話したがっていないのであれば、親から無理に感想を聞き出す必要もありません。
まとめ|学校行事で一番大切なのは本人の気持ち
不登校の子どもが修学旅行や文化祭などに「行きたい」と話したら、普段学校へ行けていないことだけを理由に参加を諦める必要はありません。
一番大切なのは、本人の気持ちを大事にすることです。
行きたいのであれば、学校と相談しながら参加できる方法を考えます。
その際は、参加方法だけではなく、途中で難しくなった場合の対応まで確認しておきましょう。
反対に、本人が行きたくないのであれば無理強いする必要はありません。
そして行事へ参加できても、そのまま学校復帰することを過度に期待せず、行事後も普段通りに接します。
学校行事への参加と、その後の登校や学習は分けて考えましょう。
学校を休んでいる間の勉強の遅れが気になる場合は、今の学習状況に合わせて少しずつ学び直す方法もあります。
関連記事:不登校で遅れた勉強に追いつくには? 学び直しの進め方と親ができること【中学生】
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著者情報
原 匠(はら たくみ)
Preステップオンライン 統括責任者
15年以上にわたり、不登校・登校しぶりなど、さまざまな悩みを抱える子どもと親の学習支援に携わる。
「失敗を歓迎し、一人ひとりの安心できる場所となるコミュニケーション重視の家庭学習システム」を提唱し、一人ひとりの状況に合わせた学習支援を行っている。