「学校を休んでいるのに、塾だけ行っていいの?」
2026/10/20
お役立ちコラム「学校を休んでいるのに、塾だけ行っていいの?」
「勉強が遅れているから、そろそろ塾を考えた方がいい?」
「本人は嫌がっているけれど、一度くらい体験した方がいい?」
不登校が続くと、勉強の遅れや高校受験が気になり、塾を考え始める親は少なくありません。
ただ、学校へ行くこと自体が難しい子どもを見ていると、新しい場所や先生を増やして大丈夫なのか不安になりますよね。
不登校で勉強が不安だからと、すぐ塾へ通う必要はありません。一方、学校へ行けていないことだけを理由に、塾を選択肢から外す必要はありません。
まず考えたいのは、何を大事にして塾を始めたいのかです。
不登校になったからといって、塾が必ず必要になるわけではありません。
今は休むことを優先した方がよい子、自宅なら勉強できる子、第三者と一緒なら学習を始められそうな子など、状態は一人ひとり違います。
文部科学省は、不登校の子どもへの支援について、「学校に登校する」という結果のみを目標にせず、本人が自らの進路を主体的に捉え、社会的な自立を目指す必要があるとしています。
塾を「学校へ戻るために行く場所」と決める必要はありません。
勉強を再開する、高校受験へ備える、家族以外の人と関わるなど、本人や家庭が求めることに合わせて利用する学習環境の一つとして考えます。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
塾を探すとき、
「個別指導がいい?」
「オンラインがいい?」
「不登校専門の塾がいい?」
と形式から考えたくなるかもしれません。
Preステップオンラインでは、その前に何を大事にして塾を始めたいのかを考えることが大切だと考えています。
たとえば、
・勉強の遅れを少しずつ取り戻したい
・高校受験に向けて準備したい
・家庭学習の習慣を作りたい
・親以外の第三者と話す機会を作りたい
・学校以外に安心して学べる環境を作りたい
目的が変われば、合う塾や学び方は変わります。
親が、
「勉強の遅れが心配だから、少しずつ始めてほしい」
「中学や高校へ進んだときに困らないように準備してほしい」
と考えているなら、その気持ちは子どもへ伝えて構いません。
ただし、親が望んでいることと、子どもが納得できることは別です。
親の考えを伝えたうえで、本人がどう感じるのかを聞きます。

本人が「塾は嫌」「知らない先生とは話したくない」と言っただけで、すぐに塾は無理だと決める必要はありません。
環境や関わる人が変われば、本人の反応が変わる可能性があるからです。
集団では話しにくくても、1対1なら落ち着いて話せる。
教室へ行くことは難しくても、自宅からオンラインなら参加できる。
最初は緊張していても、先生と実際に話したことで安心できる。
そのような違いを見ながら判断します。
一方、
・日常生活を送るだけでかなり疲れている
・体調面の負担が大きい
・勉強の話をすると強く不安定になる
・今は休むことを優先した方がよい
という状態なら、新しい塾を急いで始めない方がよいでしょう。
教育機会確保法では、学校以外の場で学ぶ不登校の子どもへの支援について、個々の状況や休養の必要性を踏まえることが示されています。
出典:文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」
教育機会確保法
塾を提案したとき、
「行きたくない」
と言われることがあります。
本人の状態に余裕があるなら、入会するかどうかを最初から決めるのではなく、
「まず体験してみて、嫌だったら教えて」
と提案する方法があります。
知らない先生や教室を想像して不安になっている場合、実際に体験すると印象が変わる可能性があります。
反対に、体験したことで「ここは嫌だった」と理由がはっきりすることがあります。
体験は入会を決める場ではなく、本人に合うか確認する場として考えます。
無料体験では、
「先生とちゃんと話せた」
「最後まで授業を受けられた」
という姿に目が向きやすくなります。
しかし、不登校の子どもの中には、先生がいる場では気を遣い、本音を出しにくい子がいます。
そこで見てほしいのが、体験が終わって親と子どもの二人になったときの様子です。
たとえば、
「先生どうだった?」
「嫌だったところはあった?」
「もう一回なら受けられそう?」
と具体的に聞いてみます。
返事だけでなく、表情、声の調子、体験後の疲れ方も確認します。
「楽しかった?」と聞くだけでは、親が期待している答えを察して「楽しかった」と返す子がいます。
体験中にうまくできたかではなく、体験後に本人がどう感じているかを見ることが大切です。
体験後、
親は「ここなら良さそう」と感じた。
子どもは「嫌だった」と言っている。
そんなときは、どちらか一方の意見だけで決めず、
子どもは何が嫌だったのか。
親は何を良いと思ったのか。
をそれぞれ伝えます。
たとえば子どもが、
「先生がたくさん質問してきたのが嫌だった」
と言ったとします。
親は、
「お母さんは、わからないところを丁寧に聞いてくれたところが良いと思ったよ」
と自分の考えを伝えられます。
そのうえで、
「質問の仕方を変えてもらえたら受けられそう?」
と確認します。
先生、授業時間、受講方法などを調整すれば解決できるケースがあります。
話し合ったあとも本人が納得できないなら、その塾を無理に選ばず、別の塾や学び方を探します。
不登校だった子どもが塾に参加できると、
「塾には行けた。次は学校へ行けるのでは?」
と考えたくなるかもしれません。
ただ、学校と塾では環境が異なります。
学校は長時間過ごし、クラスの人間関係、時間割、給食、行事など、多くの要素があります。
塾には1対1、少人数、短時間、オンラインなど、本人の状態に合わせやすい形式があります。
そのため、塾に参加できたことを、そのまま学校へ行ける根拠にはしません。
「塾に行けたから、次は学校へ行こう」と急ぐのではなく、
本人が安心して学べる場所や、家族以外に関われる人が一つ増えた
という変化を見ます。
この記事は中学生を中心にしていますが、現在小学6年生で「中学生になったら塾をどうしよう」と考えている家庭にも関係するテーマです。
中学校へ進学すると、
学校が変わる。
先生が変わる。
友だちが変わる。
授業内容や時間割が変わる。
生活の中に多くの変化が生まれます。
そのタイミングで新しい塾、先生、学習方法まで一度に加えると、本人の負担が大きくなる可能性があります。
そこで、中学校へ入ってから学習環境を探し始めるのではなく、小学生のうちに中学進学後の環境を整えておくという考え方があります。
ただし、小学6年生だから全員が同じ勉強をするわけではありません。
小学校内容を学び直す。
中学校内容を先取りする。
先生との関係づくりを優先する。
家庭学習の習慣を作る。
どこから始めるかは、その子の学習状況や目標によって変わります。
何を大事にして塾を始めたいのかが見えてきたら、具体的な学び方を考えます。
外へ出て気持ちを切り替えて勉強したいなら、通う塾。
集団では質問しにくいなら、個別指導。
外出への負担が大きいなら、オンライン。
このように本人の状態から考えます。
「不登校ならオンライン」「不登校なら個別」と最初から決める必要はありません。
本人が何を負担に感じ、どんな環境なら参加しやすいのかを確認して選びます。
オンライン授業を具体的に検討する段階になったら、こちらの記事で詳しく解説しています。
塾を考える理由が「勉強の遅れ」なら、現在の学年の単元を急いで進めたくなるかもしれません。
ただ、重要なのは学校との差ではなく、本人が今どこまで理解できているかです。
中学2年生でも、中学1年生や小学校内容につまずきがあれば、そこまで戻って確認します。
反対に、十分理解できている教科なら先へ進む選択ができます。
学年だけで決めず、本人の現在地から考えることが大切です。
学び直しについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

本人が納得して始めても、途中から参加しづらくなることがあります。
そのときは、
「せっかく始めたんだから続けよう」
と通塾自体を目的にせず、何が負担になっているのかを確認します。
授業時間が長い。
内容が難しい。
先生と合わない。
外へ出ることが負担になった。
理由を分けて考えると、時間を短くする、教科を減らす、先生を変える、オンラインへ切り替えるといった調整ができます。
続かなかったことを失敗と決めず、「どこを変えれば続けられそうか」を考えます。
詳しい考え方はこちらの記事で紹介しています。
不登校の中学生にとって、塾は学習を再開する選択肢の一つです。
「不登校だから塾へ入れないと」
と急ぐ必要はありません。
「学校へ行けていないから、塾はまだ無理」
と決める必要もありません。
最初に考えたいのは、
親は何を願って塾を提案しているのか。
本人はその提案をどう感じているのか。
何を大事にして塾を始めたいのか。
ということです。
親の考えは子どもへ伝えて構いません。
そのうえで、本人が納得できるかを確認します。
状態に余裕があれば体験してみる。
体験後は親子二人で本音を確認する。
親と子の感じ方が違えば、お互いの理由を伝える。
それでも本人が納得できなければ、別の環境を探す。
塾へ通うことをゴールにせず、本人が安心して学べる環境を探すことが大切です。
「学校の授業からかなり遅れている」
「家でほとんど勉強していない」
「中学生になったときの勉強が心配」
「塾を考えているけれど、本人に合うかわからない」
Preステップオンラインでは、現在の学習状況だけでなく、親が何を心配しているのか、本人が今どんな状態なのかを確認します。
必要に応じて前の学年まで戻り、本人が理解できているところから学習を組み立てます。
最初から長時間勉強することや、学校の進度へすぐ追いつくことだけを目標にはしません。
先生との会話から始める、短い時間から試すなど、本人に合った学び方を一緒に考えていきます。
Preステップオンラインのサポート内容はこちらをご覧ください。

原 匠(はら たくみ)
Preステップオンライン 統括責任者
15年以上にわたり、不登校・登校しぶりなど、さまざまな悩みを抱える子どもと親の学習支援に携わる。
「失敗を歓迎し、一人ひとりの安心できる場所となるコミュニケーション重視の家庭学習システム」を提唱し、一人ひとりの状況に合わせた学習支援を行っている。
学習への取り組み方やモチベーションなど、いま気になっていることを相談できます。
お子さまの今のつまずきの状況を確認し、理解度にあわせた授業で、「わかった」「できた」を実感できます。
学年や学校進度にあわせた計画ではなく、今のお子さまに必要な単元を選んだ学習計画をご提案します。