不登校の高校受験はどうする? 進路の決め方と今からできる準備【中学生】
「不登校でも高校受験はできるのかな」
「そろそろ進路を考えないといけないけれど、何から考えればいいんだろう」
中学生のお子さまが不登校になると、学年が上がるにつれて高校受験への不安も大きくなってくると思います。
特に中学2年生になると、「このままで高校へ行けるのか」「通信制高校を考えた方が良いのか」「勉強の遅れはどうしたら良いのか」と、高校進学が現実的な問題になってきます。
ただ、不登校だからという理由だけで、最初から進路を一つに決める必要はありません。
文部科学省も、高校入試において出席状況だけを理由に不利益な取り扱いをせず、自己申告書や学校外での学習状況などを適切に考慮することを求めています。また、不登校経験のある生徒に対して独自の選抜方法や配慮を設けている地域もあります。
ただし、選抜方法は地域や高校によって異なります。
だからこそ、最初から「受けられる・受けられない」と判断するのではなく、本人がどんな進路を希望しているのかを確認し、その進路に必要なことを一つずつ整理することが大切です。
まず確認したいのは「進路希望があるか」
高校受験について考えるとき、Preステップオンラインでまず確認するのは、本人にすでに進路希望があるかどうかです。
親が「そろそろ高校を決めなければ」と考えていても、お子さま自身はすでに気になっている高校があるかもしれません。
反対に、まだ高校についてほとんど考えていない場合もあります。
まずは、
「高校について今どう考えてる?」
「何か気になっていることはある?」
といった質問から、お子さま自身の考えを聞いてみます。
ここで大切なのは、最初から「全日制と通信制ならどっち?」のように選択肢を限定しすぎないことです。
なるべく自由に答えられる質問をしながら、本人の考えを引き出していきます。
行きたい高校があるなら、まず「志望度」を確認する
すでに行きたい高校がある場合、次に確認したいのが本人の志望度です。
「なんとなく良さそう」と感じているのか、「多少大変でもその高校に行きたい」と思っているのかで、その後の進め方は変わります。
志望度が高ければ、その高校の受験条件や選抜方法、現在の成績を確認します。
ただし、現在の成績だけを見て「無理」「大丈夫」と判断するわけではありません。
本人の志望度、現在の成績、受験までの日数、そこまでどのくらい頑張れそうかをあわせて考えることが大切です。
不登校のときの内申点や、高校受験でどのような評価材料を確認すれば良いかについては、こちらの記事でも紹介しています。
進路希望がないなら、将来したいことから聞いてみる
一方で、
「行きたい高校はない」
「どこでもいい」
というお子さまもいます。
その場合は、いきなり高校一覧を見せるのではなく、
「将来、何かしてみたいことはある?」
と聞いてみる方法があります。
職業まで決まっている必要はありません。
高校でやってみたいこと、興味のあること、卒業後にしてみたいことなど、本人の話を聞いていく中で進路のヒントが見えてくることがあります。
それでもまだ希望がない場合には、親がどのような進路を望んでいるのかも確認します。
本人と親の希望が違う場合は、どちらかをすぐに正解にするのではなく、それぞれの考えを整理しながら話し合っていきます。
高校選びでは「学力」だけを見なくても良い
高校の候補を整理するとき、Preステップオンラインでは主に、
学力
卒業後の進路
通いやすさ
を確認します。
たとえば、学力が合っていても、自宅から毎日通うことがかなり負担になる学校なら、本当にその学校が本人に合っているのか考える必要があります。
反対に、今の学力だけを理由に候補から外す前に、受験までの期間や本人の志望度を見ながら、どこまで準備できそうかを考えることもあります。
さらに、不登校のお子さまの場合には、登校頻度や現在の生活状況との相性、学校のサポート体制も確認したいポイントです。
全日制だけでなく、通信制なども選択肢に入れる
高校には、全日制だけでなく、定時制や通信制などさまざまな学び方があります。
特に不登校のお子さまの場合、現在の生活状況や登校への負担を考えて、通信制高校を選択肢の一つとして検討するケースもあります。
ただし、
「不登校だから通信制高校」
と最初から決めつける必要はありません。
全日制・定時制・通信制など、それぞれを選択肢として持ったうえで、本人の希望や学力、卒業後の進路、通いやすさなどを見ながら考えていきます。
選択肢を増やすことは、「第一志望を諦める」という意味ではありません。
本人が納得して進路を選べるように、考えられる道を知っておくことが大切です。
気になる高校には実際に行ってみる
候補の高校がいくつか見えてきたら、学校説明会やオープンスクールには、できる範囲で参加してみることをおすすめします。
実際に学校へ行ってみることで、
学校の雰囲気
自宅から学校までの道のり
通学にかかる時間
実際に通えそうか
など、WEBサイトやパンフレットだけではわからない部分が見えてきます。
また、お子さま自身が校舎や在校生の様子を見ることで、
「ここに通ったらどんな高校生活になるだろう」
と将来をイメージしやすくなります。
進路を決めるためだけではなく、高校生活を具体的に想像するために参加するという考え方でも良いでしょう。
志望校が決まったら、必要な学力から逆算する
進路がある程度見えてきたら、次は学習です。
Preステップオンラインでは、志望校に必要な学力から逆算して、今何を勉強する必要があるのかを考えます。
ただし、現在の学力と志望校に必要な学力に大きな差がある場合でも、いきなり難しい受験問題だけを解くわけではありません。
必要であれば、基礎まで戻ります。
中学3年生だから中学3年生の内容だけを勉強するのではなく、中学1年生や中学2年生の単元につまずきがあれば、その部分から学び直します。
受験までの日数と現在の成績を確認しながら、
「どこから戻るか」
「何を優先するか」
「どのくらいのスケジュールで進めるか」
を整理していきます。
「行きたいけれど勉強はしたくない」ときは、もう一度気持ちを確認する
志望校が決まっていても、本人が受験勉強に前向きになれないこともあります。
そのとき、すぐに
「行きたいなら勉強しないと」
と促すのではなく、もう一度本人の志望度を確認します。
本当にその高校へ行きたいと思っているのか。
受験についてどのように感じているのか。
その気持ちを確認したうえで、受験までの日数と今後のスケジュールを整理します。
状況によっては第一志望だけに絞らず、別の高校や通信制高校なども含めて、さまざまな選択肢を一緒に考えていきます。
親が進路を決めつけすぎない
高校受験が近づくと、親の方が焦ることもあると思います。
「この成績ならこの高校」
「不登校だから通信制高校」
「この学校なら安心」
と、先に答えを出したくなることもあるでしょう。
ただ、親が決めつけすぎると、本人が本当に考えていることを聞きにくくなる場合があります。
Preステップオンラインでは、なるべく選択肢を先に提示せず、質問をしながら本人の話を聞いていくことを大切にしています。
たとえば、
「高校進学についてどう思ってる?」
「高校でやってみたいことはある?」
「将来、何かしてみたいことはある?」
といったように、正解を決めない質問をしていきます。
すぐに答えが出なくても構いません。
会話を重ねながら、本人・親それぞれの希望を整理していくことも、進路を考える大切な時間です。
不登校の高校受験は「どこなら行ける?」だけから考えなくても良い
不登校のお子さまの高校受験を考えるとき、
「どの高校なら入れるか」だけを最初に考えなくても良いとPreステップオンラインでは考えています。
まず、本人に進路希望があるかを確認する。
希望があれば志望度を聞く。
まだ決まっていなければ、将来やってみたいことについて話してみる。
それでも決まっていなければ親の希望も聞き、それぞれの考えを整理する。
そのうえで、学力・卒業後の進路・通いやすさなどから高校を調べ、実際に学校を見て、志望校が決まったら必要な学力から逆算して学習を進めます。
進路と勉強を別々に考えるのではなく、「本人がこれからどうしたいのか」を中心につなげて考えていくことが大切です。
進路について、一緒に整理してみませんか
「高校の話をしても本人の考えがわからない」
「どんな学校が合っているのかわからない」
「行きたい高校はあるけれど、勉強をどう進めれば良いかわからない」
そんなときは、親子だけで答えを出そうとしなくても良いかもしれません。
Preステップオンラインでは、本人とのコミュニケーションを大切にしながら進路について一緒に整理し、その目標に向けた学習を考えています。
学習面でも、志望校に必要な学力から逆算し、必要であれば基礎まで戻りながら、一人ひとりの状況にあわせて進めます。
高校受験や今後の進路について考え始めたときも、まず今のお子さまの気持ちから聞かせてください。
原 匠(はら たくみ)
Preステップオンライン 統括責任者。15年以上にわたり、不登校や行き渋り、発達特性、完璧主義などによる学習の悩みを抱える多くのお子さまとその親のサポートに携わる。教育のプロとして、単なる知識の詰め込みではない「失敗を歓迎し、一人ひとりの安心できる場所となるコミュニケーション重視の家庭学習システム」を提唱し、数多くの家庭の悩みを解決に導いている。