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学びの多様化学校とは?(旧・不登校特例校)のメリット・デメリット

学びの多様化学校とは?(旧・不登校特例校)のメリット・デメリット

「今の学校以外も考えた方がいい?」と悩んでいませんか?

子どもが学校に行けない状態が続くと、「今の学校にこのまま在籍していていいのかな」「別の学校なら通いやすいのかな」と考えることもあると思います。

そのようなときの選択肢の一つが、「学びの多様化学校」です。

以前は「不登校特例校」と呼ばれていましたが、2023年に文部科学省が「学びの多様化学校」という新しい名称を決定しました。名称は変わりましたが、制度や申請手続きそのものが変更されたわけではありません。

この記事では、「学びの多様化学校」の仕組みやメリット・デメリットだけではなく、「自分の子に合う学校なのかをどう考えるか」まで一緒に整理します。

学びの多様化学校とは?

学びの多様化学校とは、不登校の児童生徒の実態に配慮し、通常とは異なる特別な教育課程を編成して教育を行うことができる学校です。

文部科学省では、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成する必要があると認められる場合、文部科学大臣の指定によって教育課程の基準によらない特別な教育課程を編成できる制度を設けています。

一般的な学校とは違う学習内容や時間の使い方を取り入れながら、子どもの状況に合わせた教育を行えることが特徴です。

「不登校特例校」は以前の名称

「不登校特例校」と「学びの多様化学校」は、別の制度ではありません。

2023年8月31日に、それまで使われていた「不登校特例校」の新しい名称として「学びの多様化学校」が決定しました。文部科学省も、当面は「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」という表記を使用しています。

そのため、以前「不登校特例校」として紹介されていた学校を調べるときも、現在は「学びの多様化学校」という名称で情報を探すと見つけやすくなります。

不登校特例校が2023年に学びの多様化学校へ名称変更されたことを示す図解

普通の学校とは何が違う?

大きな特徴は、不登校の子どもの実態に合わせた特別な教育課程を組めることです。

ただし、「学びの多様化学校なら、どこでも同じ授業をしている」というわけではありません。

文部科学省の設置者一覧を見ると、学び直しの時間を設けている学校、体験学習や探究活動を取り入れている学校、コミュニケーションやソーシャルスキルを学ぶ時間を設けている学校など、それぞれ異なる教育課程があります。

そのため、学校を探すときには「学びの多様化学校かどうか」だけを見るのではなく、実際にどのような学校生活や学び方が行われているのかまで確認することが大切です。

どんな子が対象になる?

学びの多様化学校は、不登校の児童生徒などを対象として、実態に配慮した特別な教育課程を編成する学校です。

不登校状態かどうかを判断するときには「年間30日以上の欠席」が一つの参考になりますが、30日という数字だけで一律に決まるわけではありません。

文部科学省の手引きでは、具体的な判断は学校やその管理機関が行い、断続的な不登校や不登校の傾向が見られる子どもも対象になり得るとされています。

実際の入学・転入条件、対象学年、通学区域などは学校や自治体によって異なります。

気になる学校を見つけた場合は、その学校や教育委員会などの最新情報を確認してください。

学びの多様化学校のメリット

学びの多様化学校では、不登校の子どもの実態に合わせた教育課程を編成できるため、一般的な学校とは異なる学び方を取り入れている学校があります。

たとえば、学び直し、個別学習、体験活動、探究活動などを取り入れている学校があります。

ただし、Preステップオンラインでは、「特別な授業があるから良い学校」と考える必要はないと思っています。
学校選びで見てほしいのは、本人がその環境で安心して学習に取り組めそうかどうかです。

学習内容だけではなく、学校の雰囲気、人との関わり方、毎日の過ごし方なども含めて、本人にとって過ごしやすい環境なのかを考えることが大切です。

学びの多様化学校のデメリット・注意点

通える場所に学校があるとは限らない

学びの多様化学校は増えていますが、地域によって選択肢には差があります。

2026年9月17日時点で確認した文部科学省の設置者一覧には84校まで掲載されており、本校型だけでなく、分校型・分教室型・コース指定型があります。

学校を検討するときには、まず自宅から通える範囲にあるかを確認する必要があります。

そして、単に地図上で通える距離かを見るのではなく、本人にとって無理なく続けられる距離なのかも考えてみてください。

学校によって教育内容や学校生活が違う

同じ「学びの多様化学校」という分類でも、教育内容や学校生活は学校によって異なります。

学び直しを重視する学校もあれば、体験活動や探究活動、人との関わりを重視する学校もあります。
そのため、「学びの多様化学校だから自分の子に合う」とは限りません。

可能であれば、学校の情報を見るだけでなく、説明会や見学などを通して本人がどう感じるかも確認してみましょう。

入学・転校すれば必ず合うとは限らない

実際にその学校が本人に合うかどうかは、通い始めてから分かる部分もあります。

入学や転校が決まったことをゴールにするのではなく、通い始めた後の子どもの反応や様子を見ることも大切です。
最初は新しい環境に戸惑っていても、環境に慣れることで本人の様子が変わる可能性もあります。

一方、時間がたっても本人の負担が大きい場合は、別の選択肢を改めて考えることもできます。

学びの多様化学校はどこにある?

文部科学省では、学びの多様化学校の設置者一覧を公開しています。

一覧では、学校名、指定年、設置場所だけでなく、それぞれの学校がどのような特別の教育課程を取り入れているのかも確認できます。

学校は今後も増えたり、内容が更新されたりする可能性があります。

そのため、本記事に全国の学校を固定した一覧として掲載するのではなく、文部科学省の最新一覧を確認することをおすすめします。
文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」

近くに学校が見つかったとしても、「近いから決める」のではなく、その学校で本人がどのように過ごせそうかまで確認してみてください。

学びの多様化学校と通信制高校は何が違う?

高校進学を考えている中学生の場合、「学びの多様化学校と通信制高校は何が違うの?」と感じることもあるでしょう。

大きな違いは、学びの多様化学校は「不登校の子どもに配慮した特別な教育課程を組める学校の指定」で、通信制高校は「高校での学び方の一つ」ということです。

学びの多様化学校では、不登校の子どもの状況に合わせて、学習内容や授業の進め方などを工夫した特別な教育課程を組むことができます。

対象になるのは高校だけではありません。小学校や中学校、高校などが学びの多様化学校として指定されることがあります。

一方、通信制高校は高校の教育課程の一つです。毎日決まった時間に学校へ通って授業を受けることを中心とするのではなく、自宅などでの学習、レポートの提出、スクーリング、試験などを通して高校卒業を目指します。

たとえば、分かりやすく整理すると、
・学びの多様化学校:不登校の子どもが学びやすいよう、教育課程を工夫できる学校
・通信制高校:自宅学習などを中心に高校卒業を目指す高校の学び方
という違いがあります。

ただし、この2つは完全に別々のものではありません。

たとえば、通信制高校のコースが学びの多様化学校として指定されているケースもあります。

つまり、「学びの多様化学校か通信制高校か」という二択で考えるものではなく、学校がどのような仕組みで子どもを支援しているのかと、高校でどのような学び方をするのかは分けて考える必要があります。

中学生が進路を考えるときには、制度の名前だけで決めるのではなく、「毎日どのくらい通いたいのか」「どんな環境なら安心して学べそうか」「卒業後にどんな進路を考えているのか」など、本人が学校生活で大切にしたいことから選択肢を比較してみましょう。

子どもに合う学校か考えるときに大切なこと

学びの多様化学校について調べていると、「こんな子に向いている」といった情報を見ることもあります。
しかし、学校選びに一つの正解があるわけではありません。

Preステップオンラインでは、まず本人が学校を選ぶときに何を大事にしているのかを見ることが大切だと考えています。

まず本人が何を気にしているのか聞く

最初から、
「この学校なら行ける?」
「転校したい?」
「どんな学校なら通える?」
と細かく聞く必要はありません。

たとえば、
「今の学校で気になることはある?」
くらいに大きく聞き、本人の答えから少しずつ話を広げる方法もあります。

もちろん、この聞き方が正解というわけではありません。

本人が話しやすい形から始めることが大切です。

本人が学校選びで何を大事にしているかを見る

学校を比較するときにも、決まった順番はありません。

たとえば、
通う距離
を一番大事にする子もいれば、

日常の学校生活
を重視する子もいます。

また、卒業までどのように過ごすのか、その先にどんな進路を考えているのか
が大切になる場合もあります。

どの学校が一番良いかを先に決めるのではなく、本人は学校を選ぶときに何を大事にしているのかを確認してから比較してみてください。

子どもの学校選びで通学距離、日常の学校生活、卒業までとその先の進路を考える3つの視点

学校選びを親だけで決めない

今の学校に行けない状態が続くと、
「違う学校なら通えるかもしれない」
と親が考えることもあると思います。

ただ、親だけで転校先を決めてしまうのではなく、本人がどう考えているのかも確認してみてください。

本人が希望する選択肢を持っているのであれば、まずはその希望を聞くことが大切です。

その上で別の選択肢も考えてほしいのであれば、
「通う距離を考えると、この学校も見てみない?」
「卒業後のことを考えると、こういう選択肢もあるよ」
など、なぜその選択肢を提案するのかを一緒に伝えることがポイントです。

さまざまな選択肢を見せることは大切ですが、特定の選択肢へ誘導しすぎないようにしましょう。

本人が自分で考えられる材料を増やしていくイメージです。

学びの多様化学校だけが選択肢ではない

今の学校が合わないと感じたとき、必ず学びの多様化学校へ転校しなければならないわけではありません。

たとえば、
・今の学校に在籍しながら別室登校をする
・フリースクールを利用する
・オンライン学習を活用する
・出席扱い制度の活用を学校に相談する
といった選択肢も考えられます。

義務教育段階では、自宅でICT等を活用した学習について、一定の要件を満たした場合、学校の判断によって指導要録上の出席扱いや成績評価につなげられる制度があります。学校や地域によって判断が異なるため、まず在籍校へ相談することが必要です。

出席扱い制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
不登校の出席扱い制度とは?自宅学習の条件と学校への相談方法

本人が「どこなら行けるか分からない」という状態なら、まずさまざまな選択肢があることを知るところから始めてもよいでしょう。

一つの選択肢だけを正解にしないことが大切です。

今の学校や別室登校、学びの多様化学校、フリースクール、オンライン学習、出席扱い制度など不登校の子どもの学びの選択肢

学校を決めた後も子どもの様子を見る

学びの多様化学校へ入学・転校したとしても、それだけで学校選びが終わるわけではありません。

実際に通い始めてから、
「思っていた環境と違った」
「最初はなじめなかった」
と感じることもあるかもしれません。

ただ、その時点ですぐに「この学校は合わない」と決める必要もありません。

新しい環境に慣れることで、本人の反応が変わる可能性もあります。

そのため、別の選択肢を持ちながら、今の環境での本人の様子をしっかり見ることが大切です。

学校を選ぶことをゴールにするのではなく、その環境で本人が安心して過ごせているか、学習に向き合えているかを見ながら考えていきましょう。

まとめ|「学びの多様化学校に行くか」だけで考えない

学びの多様化学校は、不登校の子どもが学びを続けるための選択肢の一つです。

不登校の子どもの実態に配慮した特別な教育課程を編成できるため、今の学校とは違った環境で学べる可能性があります。

ただし、
「不登校だから学びの多様化学校に行く」
と最初から決める必要はありません。

まずは、本人が学校選びで何を大事にしているのかを聞いてみてください。

通う距離、日常の学校生活、卒業までの過ごし方、その先の進路など、重視するものは一人ひとり違います。

学びの多様化学校だけではなく、今の学校での過ごし方、別室登校、フリースクール、オンライン学習、出席扱い制度なども含め、本人にとってどんな環境なら次の一歩を踏み出しやすいのかを一緒に考えていくことが大切です。

学校以外での学び方も考えたい親へ

「今の学校以外の選択肢も考えたい」
「学校に行けていない間の勉強が心配」
「子どものペースに合った学び方を探したい」
と感じている方もいると思います。
学びの多様化学校だけでなく、今の学校に在籍しながら学ぶ方法や、自宅で学習を続ける方法も選択肢の一つです。
Preステップオンラインでは、いきなり勉強を進めるのではなく、まず子どもが安心して話せる関係づくりを大切にしています。
現在の学習状況や本人のペースを確認しながら、必要に応じて前の学年まで戻って学習を進めるほか、出席扱い制度の活用についても相談できます。
「学校に行く・行かない」だけで考えず、今の子どもにできることから学び方を考えてみたい方は、Preステップオンラインの不登校サポートをご覧ください。

著者情報

【Preステップオンライン 統括責任者 原匠の顔写真】

原 匠(はら たくみ)
Preステップオンライン 統括責任者。
15年以上にわたり、不登校や行き渋り、発達特性、完璧主義などによる学習の悩みを抱える多くの子どもとその親のサポートに携わる。
教育のプロとして、単なる知識の詰め込みではない「失敗を歓迎し、一人ひとりの安心できる場所となるコミュニケーション重視の家庭学習システム」を提唱している。

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